『愛の無かったえっちはノーカンにして、彼女は大人への階段を一歩昇り、幸せになる。』
★4の中と下の狭間。
著者の記念すべき10冊目。
ギクシャクした家庭で幸せになれないワガママな女生徒『千鶴香(表紙)』は、自らをよごすことで親への復讐を自虐的に遂げようとする。
一方、ロストヴァージンのお相手に選ばれたのは、幼馴染みでもあり、性格も熟知してて告げ口される心配もない、同級生の『隆義』。
はたして肉体だけの関係で割り切ろうとしても、割り切れないのが男と女。
胸の裡に芽生えてくるもの。
一方はそれを認め、一方は無視しようと努める。
著者初挑戦の長編『恋愛とセックスと僕と彼女』は番外編含む全5話で、かなりとっちらかった構成になってるけど、ふたりの想いをきっちり描けてるのが心地よく、いつも現状に不満を抱えるがゆえ天然ツン状態にあるヒロインに素直さが戻り、デレが大爆発する件がとても微笑ましい。
無論、千鶴香の頑なな永久凍土を氷解させた隆義の真っ直ぐであったかい想いもとてもステキだ。
ネタ自体はかな?り使い古されたレトロ少女漫画感覚ではあるものの、著者の今後の作風の転機になりそうな作品。
ほか、
草薙紅名義でティーンズ誌に掲載された男女生徒のラブドラマ『秘密の保健室』は、甘ったるさがステキだけど、成コミとして収録するなら修正作業くらいは頑張って欲しかったですよ。
どっちもどっちに懲りないふたりのコスプレイ『部屋とメイドさんと私』。
という短編2編も収録。
作品解説。カバー内漫画アリ。
今回もまた男性が愛情を発揮して、女性の方は漫画チックな態度に終始するというお得意のスタイルながら、じっくりその心情の移ろいを描いてくれてて個人的には10冊中最愛の一冊となりました。
単純に抜きツールとしてなら9冊目『思春期絶対領域』の方がベターかもだけど心情描写優先のラブコメ漫画好きなら是非。
ともあれ10冊目おめでとうございます。